任意団体『なんがんネット運営委員会』
設立趣意書

設立の背景

 がん・難病等様々な疾患の患者の中には、自身にとって適切な医療・介護・就労を含めた生活の支援などに関わる情報に辿り着けていない、あるいは医療提供体制の狭間で迷う者が多く存在している。 そうした人々にとって疾患別の患者団体が、信頼性に裏付けられた情報提供者や仲介者として果たしている役割は大きい。
 しかし、その活動は概ね個々の団体別ごと、あるいは疾患ごとに立脚している。そして各団体は、人員・資金・時間の捻出面など運営に苦慮し、充分な成果を上げられないというジレンマにおかれながら事業を継続させている。また、疾患に異なりはあっても、患者にとって必要な保健・医療・福祉・生活情報には共通しているものが多くあるが、現行の疾患別患者団体が別々に提供する現状では、その情報資源が散在してしまっている。患者団体ごとが持つ情報の様々な形での有益性に、横断的な一元性を持たせられていないことも惜しまれる。
 働き盛り世代の治療と仕事の両立について意識が高まり、また高齢化が進む中にあり、いくつかの疾患を併発している患者の存在が顕在化してきた現状においても、疾患を越えた疾病の予防、診断、治療、支援情報等に関わる情報の提供が求められている。

事業の目的

 これら背景を鑑み、がん・難病等様々な疾患の患者団体が、それぞれの活動を尊重し活動基盤を安定化させ合いながら、共感する課題に対しては協働してあたる『緩やか且つ強固な連携ネットワークコミュニティ』を形成する任意団体「なんがんネット」を設立することとした。
 この取り組みは、“多疾患を横断し、地域を越え”それぞれの患者・家族が求める治療・ケア等の情報の獲得、更には患者・家族の相談支援などに携わる医療・介護・行政の活用促進をめざす、かつて国内に類を見なかったものである。
 これにより、がん・難病等様々な疾患についての知識の普及・啓発が推進され、様々な疾病を患う患者にとって、適切な医療・介護へのアクセス、就労との両立を初めとする療養生活の質の向上等、未だ解決されていない課題に患者が自らの声を反映させ、より自分らしい生活を送ることができる社会の実現への寄与を目的とする。

主な事業の内容

  1. がん・難病等様々な疾患患者・家族が求める治療・ケア・支援等の情報提供や互助交流を行うインターネットサイト『なんがんネット』の運営
  2. がん・難病等様々な疾患患者団体の自助や互助、連携を促進するためのセミナーや各種イベントの共催
  3. がん・難病等様々な疾患患者・家族の声を医療・行政に反映させるための協働政策提言

以上

なんがんネット設立賛同団体(五十音順)
一般社団法人アレルギー患者の声を届ける会
NPO法人大阪がんええナビ制作委員会
大阪狭山食物アレルギー・アトピーサークル「Smile・Smile」
NPO法人がんと共に生きる会
認定NPO法人日本アレルギー友の会
Fabry NEXT
NPO法人ブーゲンビリア